2021年

2月

10日

国税通則法の期間及び期限について

 国税通則法は、税法の一般法という地位を占めています。同法第4条(他の国税に関する法律との関係)は、この関係を明確にするため、「この法律に規定する事項で他の国税に関する法律に別段の定めがあるものは、その定めるところによる。」と規定しています。

 また、滞納処分の手続については、国税徴収法が個別に規定していますが、書類の送達、期間などの共通する事項については通則法が規定しています。これとは逆に不服審査及び訴訟については、それぞれ行政不服審査法及び行政事件訴訟法が一般法の地位にあり、その限りにおいては、国税通則法はこれらの法律の特別法となっています(通80①、114)。 

1.期間について

 期間とは、ある時点から他の時点に至る継続した時の区分をいい、国税に関する法律において、日、月又は年をもって定める期間の計算は同法10条に規定されています。ただし、「2月16日から3月15日まで」(所120①)のように、確定日から確定日までと定める期間については、期間の計算を行う必要がないので、期間計算の規定は適用されません。

(1)起算点

 期間の初日は算入しないで、翌日を起算日とするのが原則です(通10①本文)。つまり、期間計算開始の契機となる事実が発生した当日(初日)を切り捨てて、その翌日を計算上最初の1日(起算日)とします。これを初日不算入の原則といいます。「その理由のやんだ日から2月以内」(通11)という場合は、その理由のやんだ日(初日)ではなくて、その翌日が起算日となります。

 期間が午前0時から始まるとき、又は特に初日を算入する旨の定めがあるときは、初日を起算日(初日算入)とします(通10①ただし書)。「終了の日の翌日から2月以内」(法74①)という場合は、初日である終了の日の翌日の午前0時から期間が始まるため、その日が起算日となります。また、「督促状を発した日から起算して10日を経過した日」(通40)という場合は、期間の初日(起算日)を明確にしているため、その日が起算日となります。

 経過する日とは期間の末日をいい、経過した日とは期間の末日の翌日をいいます。

 以前・以後(以内)は、起算点又は期限の満了点となる日時を含みますが、前・後は、起算点又は期限の満了点となる日時を含みません。「損失を受けた日(8/15)以後1年以内に納付すべき国税」(通46①)という場合は、起算日は8/15で、満了日は翌年の8/14です。「公売の日(5/25)の少なくとも10日前までに」(徴95①)という場合は、起算日が5/24で、満了日が5/15ですから、5/14(10日前である15日の前日)が(公告)期限です。

(2)計算と満了点

 期間が月又は年をもって定められているときは、暦に従って計算します(通10①二)。 暦に従うとは、1月を30日又は31日とか、1年を365日とかというように日に換算して計算することではなく、例えば、1月といった場合は、翌月における起算日に応当する日(応当日)の前日を、1年といった場合は、翌年における起算日の応当日の前日を、それぞれの期間の末日として計算することをいいます(通10①三)。

 月又は年の始めから期間を起算するときは、最後の月又は年の末日の終了時点(午後12時)が期間の満了点です。「2月1日から3か月間」という場合は、年の平閏や月の大小にかかわらず、2月を最初の月として月数を数え、3月目の4月の末日が満了日になります。

 月又は年の始めから期間を起算しないときは、最後の月又は年において起算日の応当日の前日の終了時点が期間の満了点です(通10①三本文)。「1月15日から5か月間」という場合は、翌月から数えて5月目の6月15日が応当日となり、その前日の同月14日が満了日です。

 この場合、最後の月に応当日がないときは、その月の末日の終了時点が期間の満了点です(通10①三ただし書)。「1月31日から1か月間」という場合は、翌月の2月には応当日(31日)がなく、平年であれば同月28日(閏年であれば29日)が満了日となります。

 期間が過去に遡る場合の計算方法についての法令は存在しないため、通常の期間の計算方法に関する規定を類推適用します(通基通(徴)10-1、-2、民140、143)。その起算日が「法定納期限の1年以上前」(徴35①)のように、丸1日として計算できる場合を除き、その前日を第1日として過去に遡って期間を計算します。

2.期限について

 期限とは、法律行為の効力の発生、消滅又は法律行為や事実行為の履行が一定の日時の到来にかかっている場合における、その一定の日時をいいます。期限には、3月15日、7月31日など確定日によるもののほか、期間の末日も含まれます

 国税に関する法律に定める申告、申請、請求、届出その他書類の提出、通知、納付又は徴収に関する期限(時をもって定める期限などを除きます。通令2①)が日曜日、国民の祝日に関する法律に定める休日、その他一般の休日又は政令で定める日に当たるときは、 これらの日の翌日が期限とみなされます(通10②)。  

(略語)通=国税通則法、法=法人税法、所=所得税法、民=民法

    通令=国税通則法施行令、通基通(徴)=国税通則法基本通達(徴収部関係)

2021年

1月

10日

相続税に係る外国税額控除について

 相続税は、死亡した人(被相続人)の財産を相続又は遺贈(贈与をした者の死亡により効力を生ずる贈与を含む。)により取得した配偶者や子など(相続人等)に対して、その取得した財産の価額を基に課される租税です。

 相続税法では、他の税目に見られない特徴があり、相続又は遺贈により財産を取得した者が納付する相続税額を計算するためには、次のように4つの段階の計算が必要です。

1.第1段階課税価格の計算

 相続又は遺贈により財産を取得した者に係る課税価格(各人の課税価格)を個々に計算し、その後、同一の被相続人から相続又は遺贈により財産を取得した全ての者の相続税の課税価格の合計額を計算します。

2.第2段階 (相続税の総額の計算

 課税価格の合計額から遺産に係る基礎控除額を控除した残額(課税遺産総額)を基に相続税の総額を計算します。

3.第3段階各人の算出税額の計算

 相続税の総額を各人が取得した財産の額(割合)に応じて配分し、各人の算出税額を計算します。

4.第4段階各人の納付税額の計算

 各人の算出税額から各人に応じた各種の税額控除額を控除し、各人の納付すべき税額を計算します。

 ここで、相続税の税額控除として、在外財産に対する相続税額の控除(外国税額控除)があります(相続税法20の2条)。

 同条は、在外財産に対する相続税額の控除について、「相続又は遺贈によりこの法律の施行地外にある財産を取得した場合において、当該財産についてその地の法令により相続税に相当する税が課せられたときは、当該財産を取得した者については、遺産に係る基礎控除から相次相続控除(15条から20条の2)までの規定により算出した金額からその課せられた税額に相当する金額を控除した金額をもつて、その納付すべき相続税額とする。ただし、その控除すべき金額が、その者についてこれらの規定により算出した金額に当該財産の価額が当該相続又は遺贈により取得した財産の価額のうち課税価格計算の基礎に算入された部分のうちに占める割合を乗じて算出した金額を超える場合においては、その超える部分の金額については、当該控除をしない。」と規定しています。

 これは、いわゆる国際二重課税の緩和規定であり、外国税額控除の適用を受けることができる者は、次の要件に該当する者です。

(1)相続又は遺贈(相続開始の年にその相続に係る被相続人から受けた贈与を含む。)により財産を取得したこと

(2)取得した財産は、法施行地外に所在するものであること

(3)取得した財産について、その財産の所在地国において相続税に相当する税が課税されたこと

 また、外国税額控除による控除額は、次の(1)または(2)のいずれか少ない金額となります。

(1)財産の所在地国で課せられた税額

(2)相続税額×分母のうち国外財産の価額÷相続税の課税価格計算の基礎に算入された財産の価額

 相続税の税額控除等は、贈与税額控除、配偶者に対する相続税額の軽減、未成年者控除、障害者控除、相次相続控除、在外財産に対する相続税額の控除の順序で行われ、先順位の税額控除をして、相続税額が零となる場合又は当該税額控除の金額が控除しきれない場合は、後順位の税額控除をすることなく、その者の納付すべき相続税額はないものとなります(同法基本通達20の2-4)。