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2020年

4月

10日

仮決算による消費税の中間申告について

 消費税の課税期間は原則として1年ですが、中間申告制度が設けられています。

 中間申告書の提出が必要な事業者は、個人の場合は前年、法人の場合は前事業年度(前課税期間)の消費税の年税額が48万円を超える者です。この年税額には、地方消費税額は含みませんが、中間納付税額と併せて地方消費税の中間納付税額を納付することになります。ただし、課税期間の特例制度を適用している事業者は、中間申告書を提出する必要はありません。中間申告は直前の課税期間の確定消費税額に応じて、①中間申告の回数、②中間納付税額、③中間申告提出・納付期限は、次のようになります。

1.48万円以下

 原則、中間申告不要、任意の中間申告制度あり

2.48万円超から400万円以下

 ①年1回、②直前の課税期間の確定消費税額の6/12、③各中間申告の対象となる課税期間の末日の翌日から2月以内

3.400万円超から4,800万円以下

 ①年3回、②直前の課税期間の確定消費税額の3/12、③各中間申告の対象となる課税期間の末日の翌日から2月以内

4.4,800万円超

 ①年11回、②直前の課税期間の確定消費税額の1/12、③年11回の中間申告の申告・納付期限は、個人事業者は、1月から3月分は5月末日で、4月から11月分は中間申告対象期間の末日の翌日から2月以内です。法人は、その課税期間開始後の1月分はその課税期間開始日から2月を経過した日から2月以内で、その1月分以後の10月分は中間申告対象期間の末日の翌日から2月以内です。

 上記に代えて、中間申告対象期間を一課税期間とみなして仮決算を行い、それに基づいて納付すべき消費税額及び地方消費税額を計算することもできます。申告の負担は大きくなりますが、前期に比べ業績が著しく悪化しており、資金繰りの改善が求められる場合には、消費税額を下げられる可能性があります。この場合、計算した税額がマイナスとなっても還付を受けることはできません。また、仮決算を行う場合にも、簡易課税制度の適用があります。

 一般課税の場合、課税期間の課税売上高が5億円を超えると、課税売上割合が95%以上であっても100%でない限り、その課税仕入れに係る税額を全額控除できません。課税期間が1年未満の場合、その課税期間における課税売上高を年換算して5億円を超えるかどうかを判定しなければなりません。仮決算による中間申告をする場合、この課税期間の課税売上高は、年換算して判定することになります。例えば、消費税の中間申告が11回であれば、課税期間が1月です。したがって、その課税期間の課税売上高が500万円であれば、500万円×12=6億円となり、全額控除できないこととなります。

 ここで、「基準期間」とは、個人事業者についてはその年の前々年をいい、法人についてはその事業年度の前々事業年度をいいます(消費税法2条⑭)。また、「課税期間」とは、個人事業者については1月1日から12月31日までの期間で、法人については事業年度です(法14条Ⅰ①②)。仮決算は、中間申告対象期間を一課税期間とみなす制度ですから(法43条)、法14条の例外規定で、法2条の「事業年度」に変更はありません。よって、「基準期間」には、変更がありません。

 確定申告による中間納付税額の調整として、中間申告による納付税額がある場合には、確定申告の際にその納付税額が控除され、控除しきれない場合には還付されることになります。

2020年

3月

10日

米国公認会計士(US CPA)の更新について

 米国公認会計士(US CPA)のライセンスは永久資格ではありません。各州の規定に従って定期的にライセンスを更新しなければなりません。

 例えば、ワシントン州(Washington State)では、ライセンスを認定された個人はすべて、3年ごとに翌年1月1日から4月30日までに更新する必要があります。CPA Verifyにアクセスすれば、資格情報の有効期限を確認することができます。

 資格の有効期限が切れる前の年の12月31日までに、必要な継続専門教育(CPE)を完了して更新を行います。ワシントン州では、ライセンスまたは更新申請を提出する前に継続専門教育を完了する必要があります。2020年1月1日から有効なCPEクレジット時間の年間最小値が20クレジットにルール変更されました。従来は、3年間のトータルで120クレジットを取得すればよく、年間最小値は定められていなかったため、更新が大変になりました。

 新ルールの下でも、日本人がよく利用しているCPE depotといったCPEクレジット業者を選定し、自分の業務に関連したり、興味があるアカウンティングや監査、税務などのクレジットを取得すること自体には変更はありません。ただ、3年分をまとめて1年でクレジットを取得することは認められなくなりました。これにより、クレジットを取得するための年間当たりの費用は増加しますが、CPEクレジット業者を12月31日にまたがって更新するなどして工夫をすれば、その費用を少しでも削減することは可能です。

 3年ごとに個人のライセンスに求められるCPEの要件は以下のとおりです。

・1年間に最小20時間(20 CPE credit hour annual minimum

・ワシントン州が認定した倫理コースを含んで合計120時間

120 hours of CPE Including a Board Approved Washington State Ethics Course

 SecureAccess Washingtonからオンラインアカウントにログインし、更新申請を完了します。更新料は230ドルですが、4月30日以降に更新申請する場合には、100ドルの延滞料が含まれます。

 オンライン更新申請中に、修了したワシントン州倫理コースを入力するように求められます。CPE監査に選ばれたことが通知された場合にのみ、CPE文書を提出しなければなりません。また、クレジットを請求するレポート期間の終了後、3年間は記録を保持する必要があります。6月30日までに更新しない場合、資格は失効してしまうことになります。

 日本の公認会計士(JP CPA)には更新の制度はありませんが、毎年の継続教育が義務付けられており、年会費は10万円以上かかります。このことからすると、事実上、毎年継続教育を行ったうえで、年間10万円以上の更新料を支払っていることと同視でき、米国の公認会計士の維持費は相対的にはまだ低いものであると考えられます。

2020年

2月

10日

日米の離婚扶養料に係る所得税について

 日米租税条約第17条第3項は、「書面による別居若しくは離婚に関する合意又は別居、離婚等に伴う扶養料等に関する司法上の決定に基づいて行われる配偶者若しくは配偶者であった者又は子に対する定期的な金銭の支払であって、一方の締約国(米国)の居住者から他方の締約国(日本)の居住者に支払われるものに対しては、当該一方の締約国(米国)においてのみ租税を課することができる。ただし、当該支払が、当該一方の締約国(米国)において当該支払を行う個人の課税得の計算上控除することができない場合には、いずれの締約国においても租税を課することができない。」と定めています。

 米国の居住者から日本の居住者に支払われる離婚等に伴う扶養料については、米国でのみ課税することができるとされていますが、米国の居住者が所得控除を使用できない場合には、日米双方で課税できないとされています。

 したがって、日本の居住者が米国の居住者から離婚等に伴う扶養料を受け取る場合、米国の居住者である支払者が、米国で所得控除を行っていれば、米国に非居住者としての連邦所得税の申告が必要になります。 

 米国では、離婚合意に基づいて元配偶者に支払う離婚支払金は、一般的には、連邦所得税における離婚等に伴う扶養料(Alimony)と扱われ、離婚等に伴う扶養料は、もし支払者が納税者であれば、所得控除の対象になります。一方、受け取った配偶者は、その額を申告時において所得に含めなければなりません。

 2019年以降に支払いが開始される離婚等に伴う扶養料は、支払者が所得控除できなくなりましたが、受取者も所得に含める必要がなくなりました。

 2018年以前に離婚合意していた方についても離婚協議の内容を変更し、申告時に支払者は所得控除をせず、受取者も所得に含めないということを宣言すれば同様の取り扱いができることになります。

 ただし、上記変更の取り扱いは連邦所得税に関するものであり、州税については各州によって異なります。例えば、カリフォルニア州(California State)では従来どおり、受け取った離婚等に伴う扶養料はカリフォルニア州の所得として所得税の申告をする必要があります。

 日本では、子供への養育費については、所得税法上、受取者も支払者も非課税とされていますが、配偶者への離婚に伴う財産分与はそのやり方によっては課税されるケースがありますので、注意が必要です。

2020年

1月

10日

解散法人の税務申告手続について

1.普通清算手続

 株式会社は、株主総会の特別決議により解散することになり(会472条4号)、この場合、引き続いて清算をしなければなりません(会475条1号)。

 清算中の株式会社は、清算の目的の範囲内において、清算が結了するまで存続するものとみなされるので(会476条)、従前の複雑な機関設置は行われず、通常は株主総会と代表取締役が横滑りした清算人が清算会社の機関となります(会477条、478条)。

 清算人は、その就任後遅滞なく、清算株式会社の財産の現況を調査し、法務省令で定めるところにより解散日における財産目録及び貸借対照表を作成しなければならないこととされています(会492条)。税務の場合は、上記の計算書類に加えて、損益計算書と株主資本等変動計算書も作成しなければなりません。

 清算会社は、解散後、遅滞なく、清算株式会社の債権者に対し、一定の期間内に(2ヶ月以上の期間)その債権を申し出るべき旨を官報に公告し、かつ、知れている債権者(帳簿上認識できる債権者)には、各別にこれを催告しなければなりません(会499条①)

 2.解散法人の事業年度

 会社が解散をした場合には、その事業年度開始の日から解散の日までを一つの事業年度とみなし(解散事業年度)、その後は解散の日の翌日から1年ごとの期間が清算中の事業年度(清算事業年度)となります(連結納税の適用を受けている場合を除きます)。また清算中の事業年度の途中で残余財産が確定した場合は、その事業年度の開始の日から残余財産の確定の日までが一つの事業年度(残余財産確定事業年度)となります。

 解散事業年度及び清算事業年度に係る確定申告書の提出期限は事業年度終了の日の翌日から2月以内となります。また確定申告書の提出期限の延長の特例の適用もあります。

 一方、残余財産確定事業年度に係る確定申告書の提出期限は確定した日の翌日から1月以内(その期間内に残余財産の最終分配が行われる場合には行われる日の前日まで)となり、期限延長の特例の適用はありません。

 3.解散法人の所得計算

 解散事業年度の所得金額は通常の事業年度と同じく益金の額から損金の額を控除した金額です。しかしながら、決算期間は12カ月未満となることが多いため、減価償却費など月割計算などが必要となる項目があります。また租税特別措置法で認められている特別償却や準備金の設定など適用できない制度があります。

 清算事業年度の所得金額は通常事業年度と同じく益金の額から損金の額を控除した金額となります。租税特別措置法上の準備金の設定など適用できない制度があります。

また、平成22年税制改正により会社解散における課税方式が財産法から損益法へ改正されています。

 残余財産確定事業年度の所得金額は清算事業年度と同じく益金の額から損金の額を控除した金額となります。解散法人の申告はこの残余財産確定事業年度の確定申告をもって終了しますので、引当金の繰入れができないなど清算事業年度と異なる部分もあります。また、事業税の損金算入については、翌年度が存在しないことから残余財産確定事業年度の事業税等の額はその年度の損金に算入することとなります。

2019年

12月

10日

連結納税の完全子法人株式等に係る受取配当等について

 連結法人が受けた完全子法人株式等に係る受取配当等は、100%の資本関係内での課税済利益の再配分であるため、その全額が益金不算入となります。連結納税における完全子法人株式等とは、支払を受ける配当等の額の直前に支払われた配当等の額のその支払に係る基準日の翌日から、その支払を受ける配当等の額のその支払に係る基準日まで継続して、連結法人がその配当等の額を支払う内国法人との間に完全支配関係を有する場合のその内国法人の株式等など一定の株式等をいいます(法81の45、令155の9)。

 ここでの配当等の計算期間とは、前回の配当等の支払に係る基準日(前回配当基準日)の翌日から今回の配当等の支払に係る基準日(今回配当基準日)までの期間をいいます(令155の9)。ただし、当該配当等がみなし配当(法24)である場合には、その支払効力発生日の前日において、その配当を支払う法人が受領する連結法人との間に完全支配関係がある場合、その株式等は完全子法人株式等に該当します(令155の9①かっこ書)。

 源泉徴収については、完全子法人株式等からの配当であっても特別扱いはされず、原則として20.42%の源泉徴収が必要になりますが、当該金額は所得税額控除の対象になります。

 ただし、法人(公益法人等及び人格のない社団等を除きます。)の株主等が、その法人の資本の払戻し(資本剰余金の額の減少を伴う株式に係る剰余金の配当のうち、分割型分割によるもの以外のものをいいます。)又はその法人の解散による残余財産の分配により金銭その他の資産の交付を受けた場合には、その金銭の額とその他の資産の価額の合計額が、その法人の資本金等の額又は連結個別資本金等の額のうちその交付の基因となった株式又は出資に対応する部分の金額を超えるときは、その超える部分の金額に係る金銭その他の資産は、剰余金の配当、利益の配当又は剰余金の分配とみなされ(みなし配当)、その部分だけが課税の対象とされます(所法251、所令611)。

 株主が資本剰余金の区分におけるその他資本剰余金の処分による配当を受けた場合、配当の対象となる有価証券が売買目的有価証券である場合を除き、原則として配当受領額を配当の対象である有価証券の帳簿価額から減額します(企業会計基準適用指針第3号「その他資本剰余金の処分による配当を受けた株主の会計処理」。

 また、その他資本剰余金を原資とした剰余金の配当を受ける法人においては、資本金等の額の減少部分に対応する金額が株式の譲渡対価の額とされ、利益積立金額の減少部分に対応する金額(みなし配当の額が受取配当金とされます。ただし、株主側の税務処理は、支払通知書に基づいて、行うことができます。なお、払戻割合(資本の払戻しにより減少した資本剰余金の額/前期末簿価純資産額)は、配当をした法人から株主に対する通知事項とされています(令119条の9②)。

2019年

11月

10日

日米の贈与税に係る暦年課税について

 贈与税は、個人から財産をもらったときに受贈者に対してかかる税金です。

 会社など法人から財産をもらったときは贈与税はかかりませんが、所得税がかかります。

 また、自分が保険料を負担していない生命保険金を受け取った場合、あるいは債務の免除などにより利益を受けた場合などは、贈与を受けたとみなされて贈与税がかかります。

 ただし、死亡した人が自分を被保険者として保険料を負担していた生命保険金を受け取った場合は、贈与税でなく相続税の対象となります。

 贈与税の課税方法には、「暦年課税」と「相続時精算課税」の2つがあり、一定の要件に該当する場合に「相続時精算課税」を選択することができます。

 暦年課税は、一人の人が1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計額から基礎控除額の110万円を差し引いた残りの額に対してかかります。したがって、1年間にもらった財産の合計額が110万円以下なら贈与税はかかりません。この場合、贈与税の申告は不要です。

 米国では、贈与者(the donor)は原則として贈与税(the gift tax)を納付する義務があります。贈与(gift)とは、直接的間接的を問わず、対価を伴わない個人に対する金銭価値の移転と定義されています。どのような贈与であれ贈与税が課されることになりますが、代表的には以下の例外があげられます。

1.暦年課税の基礎控除額(the annual exclusion)以下の贈与

2.他者への授業料や医療費の支払額(the educational and medical exclusions

3.配偶者への贈与

4.政治活動資金としての政治団体への贈与

 米国の暦年課税の基礎控除額は、2018年と2019年で$15,000です。この基礎控除額は、各々の受贈者(each donee)に対して適用されます。例えば、2019年に父親が2人の子供に対してそれぞれ$15,000づつ贈与した場合には、贈与税の申告は不要です。何人の贈与者から贈与を受け取っても受贈者に贈与税の申告義務はありませんが、州によっては受贈者に州税の申告義務が課せられることがあります。また、上記の例において夫婦が共同で贈与を行う場合には基礎控除額は$30,000になります。

 このように、日本では受贈者に対して贈与税がかかりますが、米国では贈与者に贈与税がかかることになり、基礎控除額や例外とされる内容も異なります。

 日米に係る贈与税の申告にあたっては、受贈者と贈与者の相違や贈与額、居住者と非居住者、米国市民であるか否か、さらには相続時精算課税との関係にも留意して課税関係を把握する必要があります。

2019年

10月

10日

連結法人税の個別帰属額の計算について

 連結親法人が国に納付する法人税について、各連結法人は、各連結事業年度の連結所得に対する法人税の負担額として帰せられ、又は法人税の減少額として帰せられる金額(連結法人税の個別帰属額)を計算する必要があります。この場合の負担額として帰せられ、又は減少額として帰せられる金額は、具体的には以下のように計算することになります。

 各連結法人の各連結事業年度の連結法人税の個別帰属額は、次の1又は2により計算することになります。

1.連結親法人の資本金の額又は出資金の額が1億円超の場合(法81の181)

(1) 個別所得金額がある場合

  連結法人税の個別帰属額=(個別所得金額×適用税率+加算調整額)-減算調整額

  又は減算調整額-(個別所得金額×適用税率+加算調整額)

(2) 個別欠損金額がある場合

  連結法人税の個別帰属額 = 加算調整額 - (個別欠損金額 × 適用税率 + 減算調整額)

 又は(個別欠損金額 × 適用税率 + 減算調整額) - 加算調整額

2.連結親法人の資本金の額若しくは出資金の額が1億円以下である場合又は連結親法人が資本若しくは出資を有しない場合(法81の182)

 上記1の適用税率を「連結所得に対する法人税の額÷連結所得金額」とします。

 ただし、連結所得の金額がない場合の適用税率は、上記の場合の連結所得の金額のうち年800万円以下の金額に対して適用される税率となります。

 ここで、「個別所得金額」とは、個別帰属益金額(その連結事業年度の益金の額のうちその連結法人に帰せられるものの合計額)が個別帰属損金額(その連結事業年度の損金の額のうちその連結法人に帰せられるものの合計額)を超える場合におけるその超える部分の金額をいいます。

 「個別欠損金額」とは、個別帰属損金額が個別帰属益金額を超える場合におけるその超える部分の金額をいい、その連結事業年度に連結欠損金額が生じる場合にはその超える部分の金額からその連結欠損金額のうちその連結法人に帰せられるものを控除した金額をいいます。

 また、「加算調整額」とは、連結留保税額の個別帰属額など一定の金額の合計額をいいます。

 「減算調整額」とは、所得税額控除額の個別帰属額、外国税額控除額の個別帰属額、連結欠損金の繰戻しによる還付を受ける金額の個別帰属額など一定の金額の合計額をいいます。

 

【連結所得の金額がある場合】

 資本金の額が1億円である連結親法人の個別所得金額が100万円、連結子法人B・C・Dの個別所得金額がそれぞれ100万円、△50万円、△20万円であったときのC社の連結法人税の個別帰属額は、以下のように計算します。

・連結所得金額:100万円+100万円-50万円-20万円=130万円

・連結所得に対する法人税の額:130万円×15.0%=19.5万円

・適用税率:19.5万円÷130万円=15.0%

・C社の連結法人税個別帰属額:△50万円×15.0%=△7.5万円 

 

【連結所得の金額がない場合】

 資本金の額が1億円である連結親法人の個別所得金額が100万円、連結子法人B・C・Dの個別所得金額がそれぞれ100万円、△150万円、△100万円であったときのC社の連結法人税の個別帰属額は、以下のように計算します。

・連結欠損金額:100万円+100万円-150万円-100万円=△50万円

・連結所得に対する法人税の額:0円

・適用税率:15.0%

・各連結法人の個別欠損金額の合計額:△150万円+△100万円=△250万円

・C社の連結欠損金個別帰属額:△50万円×△150万円/△250万円=△30万円

・C社の連結法人税個別帰属額:(△150万円-△30万円)×15%=△18万円

2019年

9月

10日

米国個人納税者番号(ITIN)について

 米国社会保障番号(Social Security Number, SSN)は、米国籍の方及び米国の永住権を持つ方(グリーンカード保持者)、米国籍以外の方で米国内で働く許可を得た方、あるいは米国連邦年金受給のために社会保障番号が必要な方のみが取得できる番号のことです。

 米国社会保障番号を取得する資格のない方には、納税申告用として米国の税務当局である内国歳入庁(IRS)により個人用納税者番号(Individual Taxpayer Identification Number, ITIN)が発行されます。この納税者番号は連邦所得税の納税目的にのみ使われるもので、身分を証明するものでも米国内における滞在資格や就労の資格を与えるものでもありません。

 個人納税者番号を取得するためには、IRS申請書(W−7)を記入します。個人用納税者番号を申請する際に、各申請者は連邦所得税申告のために納税者番号が必要だということを証明しなければなりません。連邦所得税申告書、または例外として連邦所得税申告書の提出の必要がない場合にはそれを裏付ける書類を添付します。例えば、当年度において米国不動産の賃貸収入があり、源泉徴収業者にITIN提供する場合には、源泉徴収業者からのサイン付きの書類を添付します。個人用納税者番号は、申請から発行までは通常7週間かかります。発行時には申請者の住所に郵送で通知されます。

 また、同時にIRS納税者番号取得にあたっては、本人証明としてパスポートの原本またはパスポート認証を送付をしなければなりません。米国大使館/領事館では、IRSの納税者番号(ITIN/PTIN)取得の場合のみ、米国籍以外のパスポート認証を受け付けて(事前予約制)います。日本のパスポート認証には、原本が必要ですが、パスポートの認証は、本人ではなく代理申請も可能です。その場合、認証を受けるパスポートの原本及び、代理者の身分証明書の提示が求められますが、本人からの委任状等は必要ありません。

 申請自体はいつでも可能ですが、少なくとも当年度の納税申告期限までには提出しなければなりません。申告期限後の提出は、利子税や加算税の対象になります。

 個人納税者番号は、あくまでも納税申告用の番号であり、連続して3年間納税申告がない場合には失効します。再発行は可能です。

2019年

8月

10日

公益法人の「他会計振替額」について

 「他会計振替額」は「公益法人会計基準の運用指針」12.財務諸表の科目の取扱要領に「正味財産増減計算書内訳表に表示した収益事業等からの振替額」と定義付けされています。通常は収益事業等から公益目的事業会計への利益の 50 %又は 50 %超の繰入れに用いられる場合と収益事業等から法人会計に充てる場合に用いられます。これに加えて、公益法人においては、法人会計から公益目的事業会計への振替や収益事業等会計と法人会計間の振替も行うことができます。

 他の会計区分における利益を振り替える会計区分間の取引が発生した場合、正味財産増減計算書内訳表上、「当期経常外増減額」と「当期一般正味財産増減額」の間に「他会計振替額」として表示します。「他会計振替額」は、基本的には利益ベースでの振替を会計区分間で行う場合に表示することが考えられており、収益事業等から生じる利益を公益目的事業会計に繰り入れる場合には、他会計振替額を用いることになります。

 また、収益事業等会計で発生した利益を管理費の財源に充当する場合にも、他会計振替額を用いて財源を振り替えることとなります。ここで、「他会計振替額」は会計区分間の資産及び負債の移動(内部貸借取引を除く)を意味しており、収益・費用の按分を処理する科目ではありません。したがって、会費収入など法人内のルールにより、会計区分への配賦の基準が決まっている場合には、振替ではなく、直接各会計の経常収益区分に計上することとなります。

 なお、公益法人認定法第 18 条の規定により、公益目的事業会計から収益事業等会計又は法人会計への振替はできないのに対して、一般社団法人及び一般財団法人については各会計間の振替は可能になっています。

 法人会計から公益目的事業会計への振替は、公益法人認定法施行規則第 26条第 8 号に定められる定款又は社員総会若しくは評議員会において、公益目的事業のために使用し、又は処分する旨を定めた額に相当する財産として振り替えることになります。

 他会計振替の考え方、振替額の計算方法、計算事例等については、日本公認会計士協会から公表されている「非営利法人委員会研究資料第4号」に記載があります。

2019年

7月

10日

連結納税適用会社の税効果会計について

 連結納税制度において、連結納税親会社は、連結法人税の個別帰属額に関する書類を確定申告書に添付して提出するとともに、各連結納税子会社は、当該個別帰属額等を記載した書類を届け出ることとされています。

 このように、連結納税制度上、連結納税会社ごとに申告調整額が把握されることから、各連結納税会社の個別財務諸表においては、連結納税制度上の連結個別利益積立金額等に基づいて認識される財務諸表上の一時差異等に対して、法人税及び地方法人税に係る繰延税金資産及び繰延税金負債並びに法人税等調整額を計算し、個別財務諸表に計上することとなります。

(1) 連結納税主体における税効果会計の適用

① 連結納税会社ごとに、財務諸表上の一時差異等に対して繰延税金資産及び繰延税金負債を計算します。

② ①の各連結納税会社の繰延税金資産及び繰延税金負債の金額を合計するとともに、連結納税主体に係る連結財務諸表固有の一時差異に対して、当該差異が発生した連結納税会社ごとに税効果を認識し、繰延税金資産及び繰延税金負債を計算します。

③ 繰延税金資産のうち、法人税及び地方法人税に係る部分については連結納税主体を一体として回収可能性を判断し、住民税又は事業税に係る部分については連結納税会社ごとに回収可能性を判断した上で各社分を合計する。回収が見込まれない税金の額については、連結財務諸表上、繰延税金資産から控除します。

(2) 連結納税会社の個別財務諸表における税効果会計の適用

① (1)①の財務諸表上の一時差異等に対して、繰延税金資産及び繰延税金負債を計算します。

② 法人税及び地方法人税に係る繰延税金資産については、両税合わせて回収可能性を判断します。住民税又は事業税に係る繰延税金資産については、それぞれ区分して回収可能性を判断します。いずれにおいても、回収が見込まれない税金の額については、個別財務諸表上、繰延税金資産から控除します。

(3) 財務諸表上の一時差異に係る繰延税金資産及び繰延税金負債の金額

 住民税及び事業税に係る税効果は、連結納税制度が導入されていないため連結納税会社ごとに計算されます。一方、連結納税制度を適用する法人税及び地方法人税に係る税効果についても、連結所得及び連結法人税額を連結納税会社ごとに把握できるため、繰延税金資産及び繰延税金負債の金額は、連結納税会社ごとに計算されます。

 財務諸表上の一時差異として認識される金額は、連結納税制度を適用した場合であっても、法人税、地方法人税、住民税及び事業税について基本的に共通であるため、利益に関連する金額を課税標準とする税金の種類ごとに区分して計算する必要はありません。したがって、一時差異に係る繰延税金資産及び繰延税金負債の金額は、従来どおり、法定実効税率を適用して計算します。ただし、繰延税金資産の回収可能性の判断にあたっては、税金の種類ごとに行う必要があります。

(4) 欠損金に係る繰延税金資産の金額

 税務上の繰越欠損金は、次のとおり、税金の種類ごとに取扱いが異なるため、繰越欠損金に係る繰延税金資産の金額は、原則として、税金の種類ごとに次に示す税率を適用して計算する必要があります。

① 法人税及び地方法人税

  ・繰越欠損金

   連結欠損金個別帰属額(特定連結欠損金個別帰属額を含む)

  ・適用税率

   法人税率×(1+地方法人税率)/(1+事業税率(所得割+地方法人特別税))

② 住民税

  ・繰越欠損金

   連結欠損金個別帰属額(特定連結欠損金個別帰属額を含む。)

   控除対象個別帰属調整額

   控除対象個別帰属税額

  ・適用税率

   法人税率×住民税率/(1+事業税率(所得割+地方法人特別税))

 ただし、控除対象個別帰属調整額及び控除対象個別帰属税額については、住民税率/(1+事業税率)

③ 事業税

  ・繰越欠損金

   欠損金額又は個別欠損金額

  ・適用税率

  ・事業税率/(1+事業税率(所得割+地方法人特別税))