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2018年

4月

10日

日米の税金の支払い方法について

 国税は、申告した税額等に基づき納税者自身で納付の期限(納期限)までに納付する必要があります。米国も日本と同様、原則として税金の支払期日は申告期限と同じです。

 米国の税金の支払い方法は以下のとおりです。

1.銀行口座からの直接支払い(Direct Pay With Bank Account

 銀行口座からの直接支払いは、個人用として利用されています。

2.デビットカードまたはクレジットカード(Debit or Credit Card

 デビットカードまたはクレジットカードによる支払いは、金額に応じて手数料が設定されています。

3.電子連邦税金支払システム(The Electronic Federal Tax Payment System

 電子連邦税金支払いシステムは、米国・内国歳入庁(IRS)に登録が必要になりますが、事業者や多額の支払い用に利用されています。

4.電子ファンド引き落とし(Electronic Funds Withdrawal

 電子ファンド引き落としとは、税務ソフトで電子申告を行うときにオプションとして設定されている方法です。引き落としは直接デビットか自分の銀行口座から行います。

5.米国銀行口座連邦税金支払い(Same-Day Wire Federal Tax Payments

 米国銀行口座連邦税金支払いとは、米国国内にある銀行口座からの引き落としを行う方法です。日本国内の銀行口座を使用することはできません。

6.小切手またはマネーオーダー(Check or Money Order

 小切手やマネーオーダーによる支払いは、日本国内から納付する場合は、利便性が高いため、利用頻度が高い方法です。小切手を使用する場合は、事前に米国に口座を作っておく必要があります。小切手やマネーオーダーを申告書と同封して、IRSに郵送することになりますが、米国では日本とは異なり、郵便事故も想定されるため、EMSで送達確認を行うことが推奨されます。

7.現金(Cash

 現金でIRSの事務所や契約された米国国内のコンビニで支払う方法です。日本国内のコンビニで支払うことはできません。

 

 これに対して日本の税金の支払い方法は以下のとおりです。

1.ダイレクト納付(e-Taxによる簡単な操作で預貯金口座からの振替により納付する方法)

2.インターネットバンキング(インターネットバンキングから納付する方法)

3.クレジットカード納付(国税クレジットカードお支払サイトを運営する民間業者に納付を委託する方法)

4.コンビニ納付(コンビニエンスストアの窓口で納付する方法)

5.振替納税(預貯金口座からの振替により納付する方法)

6.窓口納付(金融機関又は所轄の税務署の窓口で納付する方法)

2018年

3月

10日

米国の純投資所得税(Net Investment Income Tax)

 米国では、一定額以上の純投資所得がある場合、純投資所得税(Net Investment Income Tax)が課せられます。税率は3.8%であり、修正後総所得(modified adjusted gross income)が単身者であれば、200,000ドルまで、夫婦合算申告の場合には250,000ドルまでであれば税金はかかりません。
  一般的に純投資所得には、以下のものが含まれます。

o 利息(Interest

o 配当(Dividends

o 資産売却益(Capital Gains

o 賃貸・ロイヤルティ収入(Rental and royalty income
o 不適格年金(Non-qualified annuities)

が含まれます。

 この中には、給与や自営業による収入は含まれません。また、失業手当や社会保障給付、離婚手当、居住用財産の特別控除額も含まれません。

 ただし、米国市民や米国居住者であれば、純投資所得税はかかりますが、米国非居住者であれば適用されないことになります。

 なお、申告には連邦所得税の申告時にForm 8960の提出が求められます。

 このように、米国では一定額以上の給与所得者や自営業者に対して、老齢医療保険税(Additional Medicare Tax)が課せられているのと同様に、純投資所得に対しても純投資所得税が課せられており、一定額以上の所得がある富裕層に対しての課税が強化されています。

2018年

2月

10日

米国公認会計士(U.S. CPA)の登録について

 米国公認会計士試験は、FARAUDREGBECの4科目からなっており、これに全科目合格すると、いわゆる全科目合格者(Successful Candidate)となり、一般的に「米国公認会計士に合格した」というのはこの段階のことを指します。

 この時点では全科目合格者であって、資格を持っているわけではないため、資格として米国公認会計士を活用するためには、この時点から次の段階に進む必要があります。

 全科目合格の次に取得するのが、資格証明書(Certificate)です。基本的に、資格証明書と免許(License)は同時進行で取得することが多いのですが、そうでない場合もあります。

 米国は連邦制の国家であり、登録はそれぞれの州に対して行います。州によっては次の段階である免許を取得する前に、この資格証明書を取得することができることもあります。

 例えば、グアム州(Guam State)には、非活動(Inactive)というステイタスがあり、これは、米国公認会計士としての資格は証明されているが、活動はしていないという状態を指します。ただ、免許登録後に、活動を休止し、非活動のステイタスを選択するという方法もあります。このステイタスは米国公認会計士だけでなく、米国税理士(EA)にも存在します。

 さらに、免許を取得するには、州に免許登録を行う必要がありますが、通常は、資格証明書とともに免許を付与するという州がほとんどです。免許登録するには、一定の要件を通過する必要がありますが、州によっては比較的簡単な要件しか課していないところもあります。

 例えば、免許登録の要件のひとつに「米国での監査経験」を要求している州が多いのですが、ワシントン州(Washington State)は、米国以外の経理やコンサルティングなどの経験でも免許を申請することができ、一般企業の日本人は通常監査経験を積むことができないため、ワシントン州で免許登録を行うことが一般的な流れです。

 通常の手順としては、以下のような流れとなります。

①ワシントン州に対しての学歴審査依頼
②合格実績のTransfer依頼(他州の合格実績をワシントン州へ移転)

AICPA Ethics Exam取り寄せ・答案提出
④ワシントン州指定の倫理試験(Ethics Exam回答

⑤ワシントン州へ免許申請
 また、申請の際には、5年間活動中(Active)の社外の米国公認会計士のサインが必要となります。他州では直属の上司のサインが求められることもあります。

 なお、米国公認会計士試験に合格してから4 年以上経過後の免許申請の場合は、申請直近3年間でワシントン州の要求する継続教育(CPE)を行ったことを証明しなければなりません。

 ワシントン州では申請者に対して、一定の割合でサンプルし、申請内容に虚偽がないか等を調査しており(ライセンス監査)、ライセンス監査の対象者になった場合は、追加資料の提出が必要になる場合もあります。

2018年

1月

10日

米国税理士(EA)の更新について

 米国税理士(EA)の登録には実務経験は不要ですが、登録後、3年毎の更新が義務付けられており、更新時にはForm 8554を提出しなければなりません。

 Form 8554の提出は、郵送による方法と、Pay.govによりクレジットカードやデビットカードを使用して電子申告をする方法とがあります。

 米国税理士の更新に際しては、申告書作成者番号(PTIN)を更新しておくことが前提となり、3年間で72時間(最低年間16時間)の継続教育(CPE)を受講するとともに、毎年2時間の倫理教育が必要になります。

 活動ステイタス(Active Enrolled Agent status)ではなく、非活動ステイタス(Inactive Enrolled Agent status)を選択することもできますが、米国で報酬を得て申告書を作成することはできず、更新にかかる費用はステイタスにかかわらず30ドルかかります。

 単位の取得の方法には、

①開催されているセミナーに参加する。
②米国・内国歳入庁(IRS)より認められた通信教育により単位を取得する。
といった方法がありますが、主に利用されているのが通信教育です。通信教育にはIRSが指定した業者(IRS-Approved Continuing Education Providers)を利用します。

 実務で一番使用するのは、米国税法の手引書(Publication)です。この手引書に沿って書類を作り、段取りを組まないといけません。指定された業者は様々で、金額や教育内容が異なるため、米国税法の手引書を利用できる教育かどうかは業者選択のポイントの一つになります。

 日本では、会社が年末調整で年間の総税額を見直し源泉徴収で調整を行うため、ほとんどの給与所得者は自分で確定申告をする必要がありません。これに対して米国では、給与所得者、自家営業者、投資所得のあった人など、収入のあった人は原則としてすべて確定申告書を作成して連邦IRSと州の税務当局の両方に毎年申告期日までに提出しなければなりません。

 源泉課税を基本とする日本の税制とは異なり、米国では給与所得以外の利子、配当、不動産賃貸等の所得も損益通算し確定申告する総合課税方式を採用しています。この方式は、申告する側にとっても、また、その処理を行う連邦及び州政府にとっても時間を要する複雑な手続きですが、納税者が投資内容の選択により税額を操作できるという柔軟性も持ち合わせています。

 このように米国税務は、日本税務以上に複雑なものであるため、専門家に対する継続教育の必要性もまた日本と同様に不可欠のものとなっています。なお、日本の税理士には、更新制度はありませんが、継続教育の制度(罰則なし)は存在します。

2017年

12月

10日

日米の居住者に係る外国税額控除

 日本の居住者は、所得の生じた場所が国内であるか、国外であるかを問わず全ての所得について日本で課税されますが、外国で生じた所得について外国の法令で所得税に相当する租税(以下「外国所得税」といいます。)の課税対象とされる場合、日本及び外国の双方で二重に所得税が課税されることになります。
 この国際的な二重課税を調整するために、居住者が外国所得税を納付することとなる場合には、一定の金額(以下「所得税の控除限度額」といいます。)を限度として、その外国所得税の額をその納付することとなる年分の所得税の額から差し引くことができます。これを「居住者に係る外国税額控除」といいます。

 居住者に係る外国税額控除は、米国所得税を納付することとなる日の属する年分において、日本の税法において課されるべき所得税額について、その年分の所得総額に対する調整国外所得金額に対応する部分の金額を限度として居住者に係る外国税額控除を認めるものです。

 しかしながら、国外源泉所得が生じた年とその国外源泉所得に係る外国所得税を納付することとなる年が常に一致するとは限りません。このように、国外源泉所得の発生年と外国所得税の納付年とにずれが生じ得ることを踏まえ、控除対象外国所得税の額と所得税の控除限度額との差額のうち一定額を翌年以降3年間繰り越すことのできる外国税額控除の繰越控除が設けられています。

 これに対して、米国では、外国税額控除(Foreign Tax Credit) は、1年間の繰り戻し(Carry back)と10年間の繰り越し(Carry over)ができます。繰り戻しとは、その年に使えなかった外国での税金(Unused Foreign Tax)をあたかもそれ以前の年に払ったかのように扱うことです。また、使えなかったクレジットは繰り越すこともできます。

 繰り戻しと繰り越しは、最初に繰り戻しを計算し、繰り戻しが可能ならそちらを先に使います。繰り戻しができなかったり、繰り戻ししてもまだ使っていないクレジットが残る場合、それ以降の年に繰り越していきます。

 Foreign Tax Credit の申請には 原則として、Form 1116 の提出が必要です。また、繰り戻しの場合には、過去に遡るのでForm 1040Xによる修正申告(Amended Tax Return)が必要になります。

 このように、外国税額控除は日本では繰越控除しかできないのに対して、米国では繰戻控除が認められており、二重課税の解消の程度が高くなっています。

2017年

11月

10日

米国の州政府の所得税について

 米国では、連邦政府と州政府の二つの政府が存在するために、所得税も、連邦政府と州政府へ別々に申告納付する義務があります。これは、個人でも法人でも同じことです。米国の居住者は、全ての総所得から、種々の控除を差し引いた課税所得に対する税金を連邦政府(IRS)に納付する義務があります。また、州政府にはその州で発生した所得に対して、州所得税を納付する義務があります。

 現在、個人所得税納付の義務がない州は、アラスカ、フロリダ、ネバダ、サウスダコダ、テキサス、ワシントン、ワイオミングの7つの州となっています。また、ニューハンプシャーとテネシーの2州では、投資所得(例えばキャピタル・ゲイン)だけが課税対象になっています。その他の州は州所得税を申告納付する義務があります。

 すべての所得には、当事者の居住地に関係なく連邦所得税が課せられます。州所得税がない州に居住していても同様です。州所得税や地方自治体所得税については、それぞれの税制によります。

 一方、勤務州と居住州が異なる場合の所得税は、当事者本人が「居住者」であるか「非居住者」であるかを州財務省に申告する必要があります。

 例えば、勤務地がニューヨーク州で居住地がニュージャージー州の場合、勤務地に対しては「非居住者」として給与所得を課税対象所得として申告し、居住州に対しては「居住者」として申告します。その際、居住州には、内国歳入庁(IRS)に申告した所得額を報告し、それと同時に、勤務州で納税した額を「他州税額控除」として申告することで控除を受けることになります。

2017年

10月

10日

米国不動産を売却した場合のふるさと納税

 日本の居住者が米国の不動産を売却した場合には、全世界課税が行われ、国内法に基づいて譲渡所得が発生することになります。納税者が総合課税の給与所得と分譲課税の譲渡渡所得の両方の所得がある場合には、ふるさと納税の上限額はそれぞれの所得に基づいて計算されることになります。

 ふるさと納税を行うと、寄附金のうち2千円を超える部分は、一定の上限まで、原則として所得税・個人住民税から全額が控除されますが、寄付金の全額が控除されるわけではなく限度額があり、また、そもそも控除されるだけの所得税や住民税が発生していなければなりません。

 ふるさと納税の控除額は、以下のように計算されます。なお、平成49年までの所得に係る所得税率は、復興特別所得税(所得税額の2.1%)を加算した率となります。

➀所得税寄附金控除(所得控除)

(寄附金-2千円)を所得控除 →(控除額×所得税率 × 1.021)が軽減 ※1

➁住民税基本控除(税額控除)

(寄附金-2千円)× 10% ※2

➂住民税特例控除(税額控除)

(寄附金-2千円)×(90%-所得税率 × 1.021) ※3

 

※1 ➀の所得税寄附金控除の控除対象寄付金は総所得金額等の40%が限度です。
※2 ➁の住民税基本控除の控除対象寄附金は総所得金額等の30%が限度です。
※3 ➂の住民税特例控除は、住民税所得割額の20%が限度です。

 

 上記のとおり、➂の住民税特例控除額は、個人住民税所得割額の2割が限度となっているので、「➂住民税特例控除額 = 個人住民税所得割額 × 20%」のとき、2千円を超える部分が全額控除となる寄附金の限度額となります。

 寄附金限度額をXとすると、次の計算式が成り立ちます。
➃(X-2千円)×(90%-所得税率×1.021)= 個人住民税所得割額 × 20%
 これを展開すると、次の計算式により、寄附金限度額を求めることができます。
➄X= 個人住民税所得割額 × 20% ÷(90%-所得税率×1.021)+2千円


 上記の➄の計算式のとおり、寄附金限度額Xは、所得税率と個人住民税所得割額によって決まります。
 所得税の税率は、課税所得の増加に応じて高くなるように設定されており、その納税者に適用される税率を用います。申告分離課税を合わせて課税される場合も総合課税の税率によります。

 以上のように、日本の居住者が米国の不動産を売却した場合には、日本で譲渡所得が発生し、譲渡所得の住民税額も発生するため、ふるさと納税の限度額は給与所得のみの場合と比較して、増加することになります。