2020年

4月

10日

仮決算による消費税の中間申告について

 消費税の課税期間は原則として1年ですが、中間申告制度が設けられています。

 中間申告書の提出が必要な事業者は、個人の場合は前年、法人の場合は前事業年度(前課税期間)の消費税の年税額が48万円を超える者です。この年税額には、地方消費税額は含みませんが、中間納付税額と併せて地方消費税の中間納付税額を納付することになります。ただし、課税期間の特例制度を適用している事業者は、中間申告書を提出する必要はありません。中間申告は直前の課税期間の確定消費税額に応じて、①中間申告の回数、②中間納付税額、③中間申告提出・納付期限は、次のようになります。

1.48万円以下

 原則、中間申告不要、任意の中間申告制度あり

2.48万円超から400万円以下

 ①年1回、②直前の課税期間の確定消費税額の6/12、③各中間申告の対象となる課税期間の末日の翌日から2月以内

3.400万円超から4,800万円以下

 ①年3回、②直前の課税期間の確定消費税額の3/12、③各中間申告の対象となる課税期間の末日の翌日から2月以内

4.4,800万円超

 ①年11回、②直前の課税期間の確定消費税額の1/12、③年11回の中間申告の申告・納付期限は、個人事業者は、1月から3月分は5月末日で、4月から11月分は中間申告対象期間の末日の翌日から2月以内です。法人は、その課税期間開始後の1月分はその課税期間開始日から2月を経過した日から2月以内で、その1月分以後の10月分は中間申告対象期間の末日の翌日から2月以内です。

 上記に代えて、中間申告対象期間を一課税期間とみなして仮決算を行い、それに基づいて納付すべき消費税額及び地方消費税額を計算することもできます。申告の負担は大きくなりますが、前期に比べ業績が著しく悪化しており、資金繰りの改善が求められる場合には、消費税額を下げられる可能性があります。この場合、計算した税額がマイナスとなっても還付を受けることはできません。また、仮決算を行う場合にも、簡易課税制度の適用があります。

 一般課税の場合、課税期間の課税売上高が5億円を超えると、課税売上割合が95%以上であっても100%でない限り、その課税仕入れに係る税額を全額控除できません。課税期間が1年未満の場合、その課税期間における課税売上高を年換算して5億円を超えるかどうかを判定しなければなりません。仮決算による中間申告をする場合、この課税期間の課税売上高は、年換算して判定することになります。例えば、消費税の中間申告が11回であれば、課税期間が1月です。したがって、その課税期間の課税売上高が500万円であれば、500万円×12=6億円となり、全額控除できないこととなります。

 ここで、「基準期間」とは、個人事業者についてはその年の前々年をいい、法人についてはその事業年度の前々事業年度をいいます(消費税法2条⑭)。また、「課税期間」とは、個人事業者については1月1日から12月31日までの期間で、法人については事業年度です(法14条Ⅰ①②)。仮決算は、中間申告対象期間を一課税期間とみなす制度ですから(法43条)、法14条の例外規定で、法2条の「事業年度」に変更はありません。よって、「基準期間」には、変更がありません。

 確定申告による中間納付税額の調整として、中間申告による納付税額がある場合には、確定申告の際にその納付税額が控除され、控除しきれない場合には還付されることになります。