米国所得税の申告期限の延長について

 米国の所得税申告書の提出期限は原則として4月15日です。申告期限までに作成が間に合わず申告書が提出できない場合は、申請によって提出期限の延長(Extension of Time To File Your Tax Return)が認められます。延長申請書(Form 4868)に必要事項を記入して、4月15日までに米国内国歳入庁(IRSへ郵送提出すると、6ヶ月間延長(国外勤務の米国市民はさらに2ヶ月)されて提出期限は10月15日になります。

 この場合、認められるのは申告書の提出期限の延長であって、税金納付の延長でありません。税金不足分は延長申請書に小切手を添付して支払わなければなりません。確定申告書の提出時に確定申告の見積額とそれまでの納付額とを比べて税金の清算をします。延長期限までに申告書を提出するときに還付であれば問題ありませんが、追加納付になる場合は延滞利息が課されます。利率はIRSが3ヶ月ごとに公表するレートを適用します、

 税金不足額が確定申告額の10%を超えた場合には、延滞利息に加えて遅延納付ペナルティ(Late Payment Penalty)が課されます。ペナルティは税金不足額に加えて1ヶ月遅れるごとに税金不足額の0.5%、ただし最高25%です。ペナルティを避けるため、申告期限延長する場合には必ず税額を算出し、税金不足額が生じる場合は延長申請書とともに納付を済ませておくことが必要です。

 また、期限前に申告がない場合、税金不足額に加えて1ヶ月遅れるごとに税金不足額の5%がペナルティ(Late Filing Penalty)として加算、最高25%まで課されます。税金の追徴課税の時効は申告書を提出してから通常3年で成立しますが、25%以上の大幅な申告漏れの場合は6年となります。IRSの税務調査では、領収書や明細書が調査対象となるので、関係ある書類等は少なくとも3年間は大事に保存すべきでしょう。

 州税についても提出期限を延長する必要があります。ほとんどの州では、還付が見込まれて追加納付が発生しない場合、連邦所得税の延長申請書が提出されていれば別途州税の延長申請書を提出する必要がありません。州税の延長申請書を必要とするのは、延長申請時点で追加納税が発生する場合です。