2019年

8月

10日

公益法人の「他会計振替額」について

 「他会計振替額」は「公益法人会計基準の運用指針」12.財務諸表の科目の取扱要領に「正味財産増減計算書内訳表に表示した収益事業等からの振替額」と定義付けされています。通常は収益事業等から公益目的事業会計への利益の 50 %又は 50 %超の繰入れに用いられる場合と収益事業等から法人会計に充てる場合に用いられます。これに加えて、公益法人においては、法人会計から公益目的事業会計への振替や収益事業等会計と法人会計間の振替も行うことができます。

 他の会計区分における利益を振り替える会計区分間の取引が発生した場合、正味財産増減計算書内訳表上、「当期経常外増減額」と「当期一般正味財産増減額」の間に「他会計振替額」として表示します。「他会計振替額」は、基本的には利益ベースでの振替を会計区分間で行う場合に表示することが考えられており、収益事業等から生じる利益を公益目的事業会計に繰り入れる場合には、他会計振替額を用いることになります。

 また、収益事業等会計で発生した利益を管理費の財源に充当する場合にも、他会計振替額を用いて財源を振り替えることとなります。ここで、「他会計振替額」は会計区分間の資産及び負債の移動(内部貸借取引を除く)を意味しており、収益・費用の按分を処理する科目ではありません。したがって、会費収入など法人内のルールにより、会計区分への配賦の基準が決まっている場合には、振替ではなく、直接各会計の経常収益区分に計上することとなります。

 なお、公益法人認定法第 18 条の規定により、公益目的事業会計から収益事業等会計又は法人会計への振替はできないのに対して、一般社団法人及び一般財団法人については各会計間の振替は可能になっています。

 法人会計から公益目的事業会計への振替は、公益法人認定法施行規則第 26条第 8 号に定められる定款又は社員総会若しくは評議員会において、公益目的事業のために使用し、又は処分する旨を定めた額に相当する財産として振り替えることになります。

 他会計振替の考え方、振替額の計算方法、計算事例等については、日本公認会計士協会から公表されている「非営利法人委員会研究資料第4号」に記載があります。