2019年

5月

10日

公益法人の収支相償について

 公益法人の収支相償とは、公益目的事業に係る収入は費用を上回ってはならないという基準のことです。公益目的事業に係る収入がその実施に要する適正な費用を償う額を超えないという基準は、公益目的事業は不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与するものであり、無償又は低廉な価格設定などによって受益者の範囲を可能な限り拡大することが求められることから設けられたものであり、公益法人が税制優遇を受ける前提となる基準です。

 一方で、事業は年度により収支に変動があり、また長期的な視野に立って行う必要があることから、本基準に基づいて単年度で必ず収支が均衡することまで求められているわけではありません。仮にある事業において収入が費用を上回った場合には、将来の当該事業の拡充等に充てるための特定費用準備資金への積立てをもって費用とみなすこと等によって、中長期では収支が均衡することが確認されれば、本基準は充たすものされています。

 なお、公益法人が財政基盤を拡大する手法としては、寄附金を募集することが第一に想定されますが、金融資産の運用によって事業を行う公益法人が、事業の拡大をするために、公益目的保有財産として金融資産を取得することも考えられます。

 また、例えば、剰余金が出ることを前提とした事業計画(予算)を立て、事業計画どおり剰余金が出た場合、年度の前半に多額の剰余金が出ることが客観的に明白であったにもかかわらず、何ら対応を採らないような場合など、意図的又は法人運営上の認識不足によって多額の剰余金が出たような場合は別として、ある年度において剰余金が生じたことのみをもって、「勧告」を受けたり、公益認定を取り消されたりすることはありません。ただし、剰余金が生じた理由、解消方策等について確認するため、報告を求められること等はあり得ます。

 このように公益目的事業に係る収入は費用を上回ってはならないという基準を前提にすれば、短期的には収支がゼロか損失を計上しなければなりませんが、中長期的な視野に立って収支相償を図ることにより、公益目的事業を継続的に実施することができるようになっています。 

(公益法人認定法第5条第6号及び第14条)

(公益法人認定法第2条第4号)

(公益法人認定法施行規則第18条)