2019年

11月

10日

日米の贈与税に係る暦年課税について

 贈与税は、個人から財産をもらったときに受贈者に対してかかる税金です。

 会社など法人から財産をもらったときは贈与税はかかりませんが、所得税がかかります。

 また、自分が保険料を負担していない生命保険金を受け取った場合、あるいは債務の免除などにより利益を受けた場合などは、贈与を受けたとみなされて贈与税がかかります。

 ただし、死亡した人が自分を被保険者として保険料を負担していた生命保険金を受け取った場合は、贈与税でなく相続税の対象となります。

 贈与税の課税方法には、「暦年課税」と「相続時精算課税」の2つがあり、一定の要件に該当する場合に「相続時精算課税」を選択することができます。

 暦年課税は、一人の人が1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計額から基礎控除額の110万円を差し引いた残りの額に対してかかります。したがって、1年間にもらった財産の合計額が110万円以下なら贈与税はかかりません。この場合、贈与税の申告は不要です。

 米国では、贈与者(the donor)は原則として贈与税(the gift tax)を納付する義務があります。贈与(gift)とは、直接的間接的を問わず、対価を伴わない個人に対する金銭価値の移転と定義されています。どのような贈与であれ贈与税が課されることになりますが、代表的には以下の例外があげられます。

1.暦年課税の基礎控除額(the annual exclusion)以下の贈与

2.他者への授業料や医療費の支払額(the educational and medical exclusions

3.配偶者への贈与

4.政治活動資金としての政治団体への贈与

 米国の暦年課税の基礎控除額は、2018年と2019年で$15,000です。この基礎控除額は、各々の受贈者(each donee)に対して適用されます。例えば、2019年に父親が2人の子供に対してそれぞれ$15,000づつ贈与した場合には、贈与税の申告は不要です。何人の贈与者から贈与を受け取っても受贈者に贈与税の申告義務はありませんが、州によっては受贈者に州税の申告義務が課せられることがあります。また、上記の例において夫婦が共同で贈与を行う場合には基礎控除額は$30,000になります。

 このように、日本では受贈者に対して贈与税がかかりますが、米国では贈与者に贈与税がかかることになり、基礎控除額や例外とされる内容も異なります。

 日米に係る贈与税の申告にあたっては、受贈者と贈与者の相違や贈与額、居住者と非居住者、米国市民であるか否か、さらには相続時精算課税との関係にも留意して課税関係を把握する必要があります。