2018年

9月

10日

財産評価(課税価格)について

 相続、遺贈または贈与が発生した場合において、相続税や贈与税を計算するためには取得した財産の価値、つまり課税価格を把握しなければなりません。この課税価格の計算に当たっては、取得した財産をいくらに見積もるかという「財産の評価」が必要になります。

 相続税法では、財産の評価に関しては、地上権、永小作権、定期金に関する権利等の財産についてはその評価方法が規定されていますが、その他の財産については「時価」により評価する(相続税法第22条)旨だけが規定され、「時価」の内容は財産評価基本通達を含んだ法律の解釈に委ねられています。

 ただし、財産評価基本通達は法律ではなく、あくまでも時価の算定方法の指針を示したものにすぎません。したがって、財産評価基本通達は基本的な計算方法である一方、これ以外の評価方法も認められる可能性が高いということがいえます。

 ここで重要なのは、上記の「これ以外の評価方法」とは何かが問題となることでです。これは、不動産であれば、一般的に不動産鑑定評価を指すため、ここに財産評価において税理士が鑑定評価の活用方法を理解しなければならない必然性があります。

 不動産の鑑定評価に関する法律において、不動産鑑定評価とは、「土地若しくは建物又はこれらに関する所有権以外の権利の経済価値を判定し、その結果を価額に表示すること」と規定されています。

 また、不動産鑑定士が準拠すべき不動産鑑定評価の実務指針である不動産鑑定評価基準では、不動産の鑑定評価について、「不動産の鑑定評価は、その対象である不動産の経済価値を判定し、これを貨幣額をもって表示することである」とされ、さらに、「これらが有機的かつ総合的に発揮できる練達堪能な専門家によってなされるとき、初めて合理的であって、客観的に論証できるものとなる」と指摘しています。

 つまり、不動産の鑑定評価は不動産の経済価値を金銭に見積もる行為全般を指し、専門家である不動産鑑定士が行うことによりはじめて財産評価における評価方法として認められるものであるといえます。