解散法人の税務申告手続について

1.普通清算手続

 株式会社は、株主総会の特別決議により解散することになり(会472条4号)、この場合、引き続いて清算をしなければなりません(会475条1号)。

 清算中の株式会社は、清算の目的の範囲内において、清算が結了するまで存続するものとみなされるので(会476条)、従前の複雑な機関設置は行われず、通常は株主総会と代表取締役が横滑りした清算人が清算会社の機関となります(会477条、478条)。

 清算人は、その就任後遅滞なく、清算株式会社の財産の現況を調査し、法務省令で定めるところにより解散日における財産目録及び貸借対照表を作成しなければならないこととされています(会492条)。税務の場合は、上記の計算書類に加えて、損益計算書と株主資本等変動計算書も作成しなければなりません。

 清算会社は、解散後、遅滞なく、清算株式会社の債権者に対し、一定の期間内に(2ヶ月以上の期間)その債権を申し出るべき旨を官報に公告し、かつ、知れている債権者(帳簿上認識できる債権者)には、各別にこれを催告しなければなりません(会499条①)

 2.解散法人の事業年度

 会社が解散をした場合には、その事業年度開始の日から解散の日までを一つの事業年度とみなし(解散事業年度)、その後は解散の日の翌日から1年ごとの期間が清算中の事業年度(清算事業年度)となります(連結納税の適用を受けている場合を除きます)。また清算中の事業年度の途中で残余財産が確定した場合は、その事業年度の開始の日から残余財産の確定の日までが一つの事業年度(残余財産確定事業年度)となります。

 解散事業年度及び清算事業年度に係る確定申告書の提出期限は事業年度終了の日の翌日から2月以内となります。また確定申告書の提出期限の延長の特例の適用もあります。

 一方、残余財産確定事業年度に係る確定申告書の提出期限は確定した日の翌日から1月以内(その期間内に残余財産の最終分配が行われる場合には行われる日の前日まで)となり、期限延長の特例の適用はありません。

 3.解散法人の所得計算

 解散事業年度の所得金額は通常の事業年度と同じく益金の額から損金の額を控除した金額です。しかしながら、決算期間は12カ月未満となることが多いため、減価償却費など月割計算などが必要となる項目があります。また租税特別措置法で認められている特別償却や準備金の設定など適用できない制度があります。

 清算事業年度の所得金額は通常事業年度と同じく益金の額から損金の額を控除した金額となります。租税特別措置法上の準備金の設定など適用できない制度があります。

また、平成22年税制改正により会社解散における課税方式が財産法から損益法へ改正されています。

 残余財産確定事業年度の所得金額は清算事業年度と同じく益金の額から損金の額を控除した金額となります。解散法人の申告はこの残余財産確定事業年度の確定申告をもって終了しますので、引当金の繰入れができないなど清算事業年度と異なる部分もあります。また、事業税の損金算入については、翌年度が存在しないことから残余財産確定事業年度の事業税等の額はその年度の損金に算入することとなります。